グローバル化が進む現代では、「移民政策」は各国の大きなテーマになっています。
受け入れを積極的に進める国もあれば、厳しく制限している国もあり、その内容は実にさまざまです。
この記事では、世界の移民政策にまつわる基礎知識をクイズ形式で10問ご紹介します。
答えはクリックすると表示されるので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。
第1問:移民とは何を指す?
まずは基本の用語から。一般的に「移民」とは、どのような人を指すでしょうか?もっとも近いものを選んでください。
- A:観光で一時的に外国を訪れる人
- B:仕事や生活の拠点を移すため、長期的に他国へ移住する人
- C:海外出張で短期間だけ滞在するビジネスパーソン
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正解:B:仕事や生活の拠点を移すため、長期的に他国へ移住する人
一般的に「移民」は、長期的・恒久的に他国で暮らすことを前提に移り住む人を指します。
似た言葉に、紛争や迫害から逃れる「難民(なんみん)」がありますが、意味は異なります。
第2問:EU(欧州連合)の特徴的な仕組み
ヨーロッパのEU加盟国では、加盟国内で比較的自由に移動・居住・就労できる仕組みがあります。この考え方を何と呼ぶでしょうか?
- A:フリートレード(自由貿易)
- B:フリートラベル(自由旅行)
- C:フリームーブメント(自由な移動)
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正解:C:フリームーブメント(自由な移動)
EU域内では「人・モノ・サービス・資本」の4つの自由が重視されています。
EU市民であれば、他の加盟国に移り住んで働くことが法律で保障されているのが大きな特徴です。
第3問:ポイント制移民制度を採用している国
学歴・職歴・年齢・語学力などを点数化し、一定のポイントを満たした人を優先的に受け入れる「ポイント制移民制度」。次のうち、代表的な導入国として知られているのはどこでしょう?
- A:カナダ
- B:アイスランド
- C:スイス
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正解:A:カナダ
カナダはポイント制移民政策の代表例で、若くて技能が高く、英語やフランス語ができる人ほど有利になります。
オーストラリアやニュージーランドなど、同様の仕組みを取り入れている国もあります。
第4問:アメリカの「グリーンカード」とは?
アメリカでは、移民に関する重要な身分証として「グリーンカード」と呼ばれるものがあります。これはどのような資格を与えるカードでしょうか?
- A:短期観光ビザ
- B:永住権(長期滞在と就労が認められる資格)
- C:市民権(国籍そのもの)
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正解:B:永住権(長期滞在と就労が認められる資格)
グリーンカードは、正式には「永住権」を証明するカードで、アメリカで自由に働き、暮らすことができます。
ただし市民権とは異なり、選挙権など一部の権利は持ちません。
第5問:難民と移民のちがい
移民とよくセットで語られる「難民」。国際法上、難民として認定される主な理由として、もっとも適切な説明はどれでしょうか?
- A:観光目的で他国に滞在している人
- B:自国に残ると迫害や戦争、暴力などの危険があり、安全を求めて他国に逃れた人
- C:仕事を変えたいので他国に移った人
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正解:B:迫害や戦争などから逃れた人
難民は、人種・宗教・国籍・政治的意見などを理由に迫害を受けるおそれがある人が、他国に保護を求めるケースを指します。
経済的な理由で移住する「経済移民」とは区別されています。
第6問:二重国籍を認める国
国によっては「二重国籍(複数の国籍を同時に持つこと)」を認めているところもあります。次のうち、一般的に二重国籍に比較的寛容とされる国はどれでしょう?
- A:ドイツ
- B:日本
- C:カナダ
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正解:C:カナダ
カナダやイギリスなど、多くの国が二重国籍を認めています。
一方、日本は原則として重国籍を認めず、一定の年齢までにどちらか一方を選択するよう求める仕組みになっています。
第7問:移民が多いことで知られる国
「人口に占める外国生まれの人の割合」が非常に高く、多文化社会として知られる国は次のうちどれでしょう?
- A:アラブ首長国連邦(UAE)
- B:フィンランド
- C:ポルトガル
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正解:A:アラブ首長国連邦(UAE)
UAEでは、石油や建設、サービス産業で働く出稼ぎ労働者が非常に多く、人口の大半が外国生まれとされます。
ただし、永住権や市民権の取得はきわめて難しいなど、権利面では厳しい面もあります。
第8問:日本の技能実習制度の目的
日本には「外国人技能実習制度」と呼ばれる仕組みがあり、多くの外国人が参加しています。この制度の建前上の目的として、もっとも近いものはどれでしょう?
- A:日本の人手不足を補うためだけの制度
- B:日本の技術や技能を開発途上国へ移転するための国際協力
- C:観光客にアルバイトをさせる制度
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正解:B:技術や技能の国際協力
技能実習制度は、名目上は「国際協力」を目的として、日本の技術を母国にもって帰ってもらうことをめざしています。
一方で、実際には人手不足を補う労働力として扱われているとの指摘や、労働環境の問題も議論されています。
第9問:国連が定めた「国際移住者」とは?
国連などの統計で使われる「国際移住者」は、どれくらいの期間、出生国とは別の国に住んでいる人を指す定義が多いでしょうか?
- A:3か月以上
- B:1年以上
- C:10年以上
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正解:B:1年以上
国連の統計では、一般的に「1年以上、出生国とは別の国に居住している人」が国際移住者とされています。
短期の旅行者や留学生は、統計上は別カテゴリーに分けられることが多いです。
第10問:移民政策が社会にもたらす課題
多くの国で、移民政策をめぐってさまざまな議論があります。次のうち、よく挙げられる課題・テーマとしてもっとも適切な組み合わせはどれでしょう?
- A:人口構成・労働力不足の解消、多文化共生、社会統合
- B:天気予報の精度向上と観光案内の改善
- C:スポーツのルール統一とオリンピック開催地の選定
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正解:A:人口・労働力・多文化共生など
先進国では少子高齢化が進み、労働力として移民を受け入れる必要性が高まっています。
その一方で、言葉や文化のちがいによる摩擦、教育や社会保障をどう支えるかといった課題もあり、バランスの取れた政策づくりが求められています。
まとめ:移民政策から見える「国の価値観」
世界の移民政策は、その国がどんな人材を求め、どのような社会を目指しているのかを映す鏡でもあります。
受け入れを広げる国、慎重な姿勢を保つ国、それぞれの背景には歴史や経済状況、国民の意識など多くの要素が絡み合っています。
ニュースで「移民」や「難民」という言葉を見かけたときは、その国の制度や歴史を少し調べてみると、世界情勢がぐっと立体的に見えてきますよ。
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